詩をおいておくところ

1984年生まれ。詩を書いては残しします。

五色

なんだかふっと命がかるくなるこんな夜

ぞうりひとつで海まで向かう

夜の煙突の煙 ありゃなんだろね

月の光でアスファルトまでつるんといいかんじ

口笛吹きながら

生温かいはじまったばっかりの夏で

永遠に死なないような気持ちで海までの坂を下りた

 

人が願えば水がよごれる

こうあれよ、こうなれよ、と言われればその人の成し得なかった事、望んだこと、今までの生き方を否定しないありよう、が含まれているに違いない

心配だわ、それで大丈夫、というのは自分が施せる範囲の人間にあつらえて自己を確認したいという気持ちが少なからずあるようにおもえる

 

こうあってほしい、こうなってほしい、という思いの交差同士で人と人は成り立っているらしいが、その実それが実に人に対して鬱陶しいことであるだろ

 

僕といえば、親におまえはこうだよな、と何度も言われたが、事実俺がそのようにこうであって気弱に喧嘩もせず、怒りも裏切りもせず、卑小に生きてきたかというと全くその逆である

し、卑小なものを押し付けられてきたから故の反発もあると思う。故に卑小である。

 

楽しそうだね、幸せそうだね、君は自由であるね、と言われると今日にでも死んでやろうと思うし、そのさかしまになっている死生観は未だに変わらぬ

 

思い慕う人あれば自分がそうしてほしかったようになにも願わず思わぬように距離や氣や思いを断つ

忘れられたいというのがしあわせだとは思わない

やっかいな生理感覚だな

消えてしまうことから顕れる生の倫理だ

 

きっと。

宇宙の真理に触れたとか

 

なにやら一般では見えぬコレはというようなものを見たとか

 

一息にして聴衆や人の場を呼吸にて調和させてしまうであるとか

 

祖母も曽祖母も総曽祖母も亡くなってしまったがわたしの後ろにいて和菓子を食べておりますねという方も

 

気の流れが立ち所にわかりこれは中国雲南省

らきた吉報の風が我々に云々

というのはもうほんと食傷気味で

大網を投げて魚を捕まえるような下品さを感じて僕は料理や生活に逃げ込むようになります。

 

大網を投げる輩の、本人もわからぬまま感触だけがこれは大物だ、という慢心の物語に時間を割く事に無駄をかんじますな。

 

網を投げないままこの海が魚がいる場所、と指し示す、そういうのはすごいね、きっと。

いのることばひとつしらない

 誰がためにぼくのからだ通りぬけてきた言葉たち

 誰がためにあなたとおりぬけてきた景色たち

なにおもう

なに願う

祈る言葉ひとつしらずに恥さらし

自分を守ることばっかりで自然に憩いつまはじきにされる

よくみろよ

僕らはゴキブリやドブネズミのようなもの

同種の穢れから離れては

救われぬ

穢れから逃れるものは穢れに知らず巻きとられる

きれいって惨めだね

うつくしいって残酷だね

なにがみえた

なにがみえたかね

いのることばひとつくらいほしいね

からだひとつ通りぬけてきたやつをよ

インスタントでない

気持ちよくもないほんとのやつをよ

そのことひとつ携えてはじめて人間になれた顔して会いたいねえ

しっている

君が誰から命令されたか

 君がなにに強いられているか

君がなにを自慢に思っているか

君がなにを信じているか

そんなものから離れられたらみものだね

 

僕は僕を知っている

君は君をきっと知っている

遠くの星より明らかに君は僕を察知する

信じる人がいなきゃな

歌う歌のひとつもなきゃな

こころの故郷なくしてどこが地球かね

さよならがこんにちはだね

さよならとこんにちはは背中あわせだったね

海と砂浜みたいだね

名残の歌も長くは続かないはずだよ

 

言葉のそとで丸く輝く

知ってるかい

世界は君の家族の拡大図でもなければ

すべてが君の失敗や恨みでしみったれているわけではない

君が君の人生から何を学びどのように世界に色付けしても

この宇宙や世界は独自に鼓動するのをやめない

だからまだ生きてる価値があるってもんだ

君がありとあらゆる事にケチをつけて自分の範囲を狭めている間にも地球は回る

愛情の陣取りゲームみたいなこの世界

計らない事をおすすめする

時間はもどらない

生きてから死ぬまでが生き物の単位

何が見えるかな

どれだけ手をのばせるかな

満点の星よりも喜びと悲しみを見つけれるこの世界

無用の用

薄い色のついたガラスの置物

つるりとしてすべっとしてガラスだからつべたいはずなのに不思議なあたたかみを感じる

日が射せばなにか人に思い出させる程度にきらりと光るし

夜になればそこにただあるということはわかる

何かの役に立つわけでもなし

値打ちがあるわけでもない

複雑な造形をしているわけでもなければ

まわりの景色によって印象も変わってしまう

そんな人に私はなりたい