詩をおいておくところ

1984年生まれ。詩を書いては残しします。

無用の用

薄い色のついたガラスの置物

つるりとしてすべっとしてガラスだからつべたいはずなのに不思議なあたたかみを感じる

日が射せばなにか人に思い出させる程度にきらりと光るし

夜になればそこにただあるということはわかる

何かの役に立つわけでもなし

値打ちがあるわけでもない

複雑な造形をしているわけでもなければ

まわりの景色によって印象も変わってしまう

そんな人に私はなりたい

バイク

バイクはいい。

バイクは本当にいい。

バイクは移動手段でもあるけど精神性だ。

色々考えながら走るのもいい。なにも考えなくて走るのもいい。

事故しない自信と臆病さだけあれば。

僕はバイクを乗るにあたって臆病な性格で本当に良かったとおもう。

考えるのがいやなとき、人のなまぐささ自分のなまぐささから離れたいとき、色んな事にどうでもいいという決断を下したいときなんかちょうどいい。

カワサキに憧れるけど、ホンダもいいしほんとはなんでもいい。

無理なく使えば無理なく動くしそれがいい。

すごく速く走れるけど、耳と身体が気持ちのよい鼓動の速度で走っていれば、その日その時足りなかったなにかに出会わせてくれることがあるのもいい。

手を組んだり、頼ったり、愛したり愛されたりしないところもいい。

バイクに乗っているからってステータスにもなにもならないとこもいい。

べつにどこでもいいし、なにもなくてもいいし、とくに行ったとこについての感想を話そうとも思わない。

バイクに乗るのは人に見せびらかしたり何かを捕まえたり得ようとしたりするのとは違う、ただ感じて忘れていく祈りの旅だなと思う。

魂魄の道

鈴虫の声が

しんさんとこころのそこまで染み渡り響く夜

僕はなにを感じなにを成したいのだろうかと思う

神様の手のなる方へただ進んでゆく

身体いっぱいに日々の喜びがある

それがずっと昔の事を揺さぶり起こしたりする

なにをするんだろう

どこにいくんだろう

 

目が新しくなって

身体が新しくなって

眠りが新しい眠り方になれば

君も変わるはずだよ

悩みすぎるな

悩むほど君に価値があるとはおもえん

まあしっかりやれよ

君の命題なんか君じゃないから俺は知らん

 

麻薬に耽ったり酒に溺れたり浮いた銭で美食に明かしたりしたらおまえもおわりだぜ

興味と好奇心が食えないなら当然自分の人生も平らげたくなくなる

犬でも知ってる

しっかりやれよ

君に神様はいない

足がついて目が見える肉だ

充分だ

おとな

大人は無心では眺めない

いつもあくせく働いて

死にたくなる理由を探して

簡単な現実をこじらせる

何をみても何を聞いても知ったかぶりで

人の噂に流される

人間は減点方式で少しずつ磨耗するのだと考えると

ちょっといやですねえ

がんばってがんばって

友達と釣りに出かけていた時のような幸せにもどりたいです

日を繰る

鯵の開きに玉ねぎの味噌汁

おふろの磨りガラスから陽の光

行きに帰りにつかう道

季節によってはたんぽぽやひなげし

日めくりカレンダーにオレンジの夕日

こういったものが僕のすべてだと思いたかったのです

料理の本にたくさんの付箋

電車の中で怪談話をする小学生

何度も聞いた事のある祖父の冗談

蛙の鳴く声がきこえる部屋に走馬灯

こういうような事をものさしに自分の死ぬまでを見計らいたいものです

車の窓から見えるもの以上の希望はいらない

読むべき書物も聞いておかないといけない音楽もない日々

知るべき感覚や空想や論理のない日々

そんな中で来るべき時がくればなにかに出会い僕はまた変わるでしょう

変わって変わってかわりつづけたら

今度はなにをみせてくれるでしょう

僕はなにもわからない

 

 

月に星に蛙。

高知で月を見ています。

 

外がすこしだけまだ肌寒い。

蛙が夜が少し動いてしまうんじゃないの、

というくらいげこげこげこげこげこと鳴いて

それだから星がより輝いて見えて面白い。

 

僕はこの最近太った身体の中にいのちを抱きしめている。おそらく。

この身体を通して、友人の息子は色のある夢を見たかな、とか

友達は遠くでまだ起きて空想しているかな、と考えます。

携帯があるからまだ起きてるか、最近はどうかと聞けばきっと答えてくれる気もするけど

人は気づかいがあるからそのままでは答えてくれないに違いない。

そういう優しさに踏み込まないくらいにやっとこさ大人になったので、

やっとこさ、祈るような夜を過ごせるようになりました。

街灯があるので藍に見える夜空に蛙の合唱に月に星だよ。