詩をおいておくところ

1984年生まれ。詩を書いては残しします。

紙でできた牛 その5

ルアンナムターは割に都会だった。
都会といっても西部劇の街みたいに一箇所に主要な建物がぎゅっと詰まってる。
市場では牛の頭や臓物、ココナツでできた菓子、小動物の頭蓋、カブトムシの雌みたいな甲虫、蛙、多種多様な織物、法具、ナルトの偽物がプリントされているTシャツ、とにかく色んなものが生きるという秩序のみを伴って並んでる。
この街で、昼間は子供と追いかけっこして、疲れたら宿に誰かが置いていったこちら葛飾区亀有派出所前を読んで、腹が減ったらココナツの菓子を食い、暇になれば日用品屋の娘をからかい、ホテルのドアマンの携帯でできるテトリスをさせてもらい、夜はユーチューブを爆音で鳴らすクラブに行った。
毎日タイガービールだ。それかビアラオだ。
全然旅行じゃない。
ただの働いていない外国人のおっさんを謳歌していた。
ナイトマーケットで明らかにカタギでない山賊の様な方々と男を見せる為に計6人で大びんで小さい小屋が建てれそうなくらい飲んだ後、びっくりするほど血尿が出たのもこのあたりの記憶に思う。
刃物を持って、ドンとキープの札束を輪ゴムでラフに留めていた彼らは何者だったんだろうか。
孵化しかけのゆで卵がうまいということを教えてくれた、声のでかいタンクトップ達、と記憶しておこう。